[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ただいまコメントを受けつけておりません。
夏は暑さをクールダウンしようと、冷たい飲み物やアイスクリーム、さっぱりした麺類などに嗜好が偏りがちです。しかし、実はこのような食が夏バテに追い打ちをかけていることをご存じでしょうか?
そこで今回は、夏を元気に過ごせる食事についてお伝えしていきます。
● 夏に食べたくなる食べ物の落とし穴
夏の暑さが続くと、食欲が落ちたり、体がダルくなったりと夏バテを経験する方も少なくありません。また、冷房の効いた室内と暑い外との温度差により自律神経のバランスが崩れることも、夏に疲れが出てしまう要因の1つです。
夏は、暑さから冷たいアイスクリームや清涼飲料水、炭酸飲料などの飲み物や、喉越しがよい素麺やざる蕎麦などを食べる機会が増えます。
しかしこれらの食品が、実は夏バテや疲労に拍車をかけているのです。
これらの食品に共通して多く含まれる栄養素が「糖質」です。炭水化物といったり糖質といったりと、呼び方が様々ですが、ここで整理してみましょう。
炭水化物は主食である、ご飯やパン、麺類などに多く含まれていますが、「糖質+食物繊維」で構成されています。そして糖質は、私たちが健康的に活動するエネルギー源となってくれています。この糖質を代謝するにはビタミンB1が必要となるため、糖質を多く含む、アイスクリームや清涼飲料水などの甘いものを摂り過ぎると、ビタミンB1不足に陥ります。ビタミンB1が不足すれば、糖質を摂取してもエネルギーに変えることができず疲れやすくなります。
また、糖質は、脳のエネルギー源にもなるのでエネルギーが作られないとイライラにつながったり、体内に糖質が貯まっていけば太る原因にもなります。夏バテしやすい、夏に太りやすい方は、糖質の摂り過ぎでビタミンB1が不足している可能性があります。
● 喉越しがよい麺類と一緒に! おすすめのトッピング
夏バテを解消するには、アイスクリームや清涼飲料水などの糖質の多いものを控えることはもちろんですが、ビタミンB1を多く含む食材を意識することも大切です。
コンビニに行くと、夏は喉越しの良い素麺やざる蕎麦、ざるうどんなどに目が行きがちですが、これらは炭水化物が中心になるので、どうしても糖質の摂取が多くなってしまいます。
そんな時はトッピングに注目して選ぶことがポイントです。素麺、ざる蕎麦などのシンプルなものではなく、トッピングが多い冷麺や冷製パスタなど、肉や野菜などのトッピングが多く入っているものを選びましょう。その中でもおすすめのトッピング食材は「豚肉」です。豚肉は、糖質代謝に役立つビタミンB1が多く含まれています。豚しゃぶ、チャーシュー、ハムなどのトッピングがあるメニューを選ぶといいですね。
その他ビタミンB1は、うなぎの蒲焼、タラコ、玄米ごはんにも多く含まれています。もともと日本人は玄米を主食としていたため、ビタミンB1不足の心配はありませんでした。しかし玄米から精製された白米を主食とするようになり、ビタミンB1を多く含む米ぬかや胚芽部分が取り除かれてしまい、ビタミンB1の摂取が減り、江戸時代には脚気という疲労感、倦怠感などが起こる病気が流行したといわれています。
現代では、他の食材からビタミンB1を摂れば欠乏することはありませんが、乱れた食習慣や糖質中心の食事をしている方は注意が必要です。夏場は、糖質の多い食事になることに加え、ビタミンB1は水溶性のビタミンなので、汗とともに失われやすいこともありビタミンB1不足になりやすいのです。
白米を玄米や胚芽米にチェンジする、パンは全粒粉パンを選ぶと普段の食生活で効率よくビタミンB1を摂取することができます。
また、ビタミンB1はにんにくや玉ねぎ、ニラなどの臭気成分である「アリシン」と一緒に摂取すると、ビタミンB1が血液中に長くとどまり、効率よく働いてくれます。夏バテしやすい、疲れやすい方は豚ニラ炒めや豚のにんにくソテーなどのメニューを意識してみましょう。
● 夏バテにおすすめの食べ物は?
疲れた時のスタミナ食として焼き肉やステーキが浮かびますが、これらは脂質の摂り過ぎが気になるところです。そこでおすすめなのが、昔から夏バテに良いといわれている「うなぎ」です。
うなぎには、ビタミンB1の他にもタンパク質、ビタミンA、ビタミンB2、亜鉛など各種ビタミン、ミネラルが多く含まれています。ただビタミンCがほとんど含まれていないので、ほうれん草のお浸しやサラダを1品プラスして野菜と一緒に摂るとよいでしょう。昔から「うなぎと梅干」の食べ合わせはよくないと言われていますが、梅干しに含まれる「クエン酸」は疲労回復に役立ちます。
ではなぜ食べ合わせがよくないと言われているのでしょうか? 諸説ありますが、うなぎの蒲焼の脂と梅干の酸味で、胃腸が弱い方には刺激となり消化不良を起こすからといわれています。胃腸が弱っている時は、この組み合わせは避けた方がよいかもしれませんが、うなぎの脂肪はDHAやEPAを多く含み、脳の活性化に役立つ脂肪なのでぜひ摂り入れてほしいですし、梅干しや酢に含まれているクエン酸も疲れている時には補給していきたいですね。
その他、食事量が減ることも夏バテにつながります。唐辛子やカレー粉などのスパイスや香辛料を活用して食欲を増したり、消化吸収を助ける長芋やオクラなどのネバネバ食品もおすすめです。
● 鶏のむね肉、カツオ・マグロに多い 「イミダペプチド」で疲労回復を
以前は、疲労物質である乳酸がたまると疲れを感じやすいといわれていました。しかし最近の研究では、疲労の原因はFF(ファティーグ・ファクター)と呼ばれるタンパク質と考えられているようです。これは、激しい運動や肉体労働などで生じる肉体疲労や心身の疲れから生じる精神疲労により発生するといわれています。これに対処するにはFR(ファティーグ・リカバーファクター)と呼ばれる物質を体内に増やすとFFを除去してくれるようです。
FRはイミダゾールジペプチドというアミノ酸化合物を摂取することで増やすことができるそうです。またこのイミダゾールジペプチドは、大阪市立大学大学院が「渡り鳥や回遊魚(カツオやマグロなど)などの長時間の連続した運動を必要とする生物の骨格筋中に多く含まれているイミダペプチド(イミダゾールジペプチド)をヒトが経口摂取した場合、血中で消費されることなく骨格筋に移行し、疲労の発生を抑制するため抗疲労物質として有望と考えられる」と研究発表したことにより、いま注目を集めています。
肉体疲労や精神疲労を感じる方は、イミダゾールジペプチドを多く含む鶏のむね肉やカツオ、マグロなどを意識して摂るといいかもしれませんね。
いずれにしても、毎日の食が疲労回復には重要です。食の力で夏バテをのりきっていきましょう!
児嶋勝/広告